恩返しではなく、恩送り

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【恩返し】ではなく【恩送り】

※恩送り(おんおくり)とは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ること。



今から約3か月前にゲストハウスの受信箱に一通のメールが来た

「親の介護疲れで心身共に疲れきっている、一度リセットしたいので松山で滞在したいんだけど住み込みで泊まらせてもらえないか?」
と、いった内容だった。

すぐに電話の連絡先を伝えて
文字では伝わりにくいので直接お話して事情を聞いた。


僕は「住み込みで働いてもらうほど、忙しくないけど出来る限りのサポートはする」
と、宿泊料免除の提案をしてみると

2週間後に50代の女性が松山に来た

2週間の滞在を予定していたので
最初の3日ぐらい会話をして
あとは、しばらく様子を見ていた


「変えれるものなら変えてみろ」ではなく「あなたが変わりたいならいつでも変われる」
そんな話をして

やる事ないなら
毎日廊下を雑巾がけしてください。
2~3日すると、「あたしは何をしてるんだろう?」と、雑巾がけが嫌になりますよ。

その時が【変わり時】なんです。


毎日当たり前に選択している自身の行動の中に
普段とは違う行動をひとつ取り入れるだけでも
人間は意識的に変わることができます。


滞在期間中はなるべく距離を取り
必要な事はサポートする感じでした。

そして、松山の滞在もあと2~3日って所で
「雑巾がげは出来ているのか?」と、聞いてみたら「毎日廊下(木)を水ぶきするのは木に良くないと思ってやっていないです…」

やっぱりな、と思って笑いながら
「変わらないと思ってたよ」と言うと
その人は大泣きしはじめた。

変われない自分が相当悔しいんだろう。。。


幼い頃から、父親絶対的主義の家庭で育ち
ギャンブル依存の父親に
大学卒業後、就職してから毎月給料の殆んどを取られ、母親が倒れて介護が必要になり
思い通りに体が動かない母にまで八つ当たりしたり、そんな自分が嫌で嫌で誰にも相談することすらできずに八方塞がりになっていた女性は

「変わらないと思ってたよ」の一言で
「このままじゃダメだ」と、強く思えたみたいで

いつも暗い顔していた女性も
チェックアウトの時には
素敵な笑顔を見せてくれました。


いろいろな家庭環境や
いろいろな価値観がある

自分にとって【何が幸せか?】
これから先の人生は【自分の選択肢】で作られるって話をしました。


雑巾がけをやっていないのを分かっていながら
どうして言わなかったか?

人は選択肢が無くなった時に「悩む」のだと思います。

選択肢のなかでも細かく見ると
頭の中では
I want to~(〇〇したい)
I have to~(〇〇しなければならない)
って認識によって脳が体に命令を出す


雑巾がけをしなければならない
って気持ちで行動するよりも

雑巾がけをしたい
って気持ちで行動してほしかったからです。


雑巾がけを提案して2日後に
「雑巾がけしてる?」なんて聞いたら
「また注意されるから雑巾がけしなければ」
I have to~になっちゃうと思ったから
「変わらない」事を見越して

「変わらないと思ってた」と伝えたんです
そこで初めて女性は
I want to~に変化したのです

結局、アドバイスや助言ってのは、本等と同じで
インプットするのは簡単なんです。

今やインターネットもありますし
どんな知識でも簡単に手に入れることができます

しかし、最も大切なのは
アウトプットすることだと思います。

自分の人生という時間を使って
良いことも悪いことも
すべてが経験と捉えて挑戦する

それらの経験を自分の人生の糧にしていくと
きっと素晴らしい未来が待っていると思います。

何もない愛媛
何もないからこそ見つめ直せる。
僕は愛媛を【考え直せる場所】にしたいです。

自然を感じ
自分を見つめ直す

⁡ピンチはチャンス!
ヤバい!と、思わないと
変わろうと思いませんよね。
ピンチをチャンスに。

そんなこんなで
この女性が帰ってから
もう2か月が経とうとしていますが
その後、連絡はありません。


便りが無いのは無事の知らせって事で
今日も誰かの役にたてるよう
がんばりまぁ~っす。

この記事を書いた人

岩井 隼人
岩井 隼人CREPE & CAFE Hi5 オーナー
2011年の東日本大震災をきっかけに【便利になりすぎた日本】で何不自由なく当たり前のように生きている自分が嫌になり言葉も地理も分からない東南アジアを携帯電話やインターネットの環境も断ち、2カ月間バックパッカーをして何も無い体一つの状態で生活してみる、そこで沢山の人々と接して生活していくなかで人とのコミュニケーションの大切さを知る。

コミュニケーションの大切さや日本の良さ、これからの日本のあり方を若者やお年寄りの方と話し合えるような場所、人が集まるような場所を作りたくて「老若男女集まるにはクレープ屋だ!」と、思いクレープ屋をはじめる。

多くの人に生きる喜びを伝えていきたいです。

このままでは人間は人工知能に支配される。と、本気で思っている(笑)

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